音には様々な種類がありますが、一般的に不快な音や大きすぎる音を「騒音」と定義し、問題視されています。音には振動が伴うことがあり、工事現場の音や建物が揺れるなどの振動・また飛行機の騒音に伴う振動など、私たちの生活に悪影響を及ぼし、ストレスの原因ともなります。
都市部では、深夜営業の飲食店やコンビニエンスストアでの騒音も、付近の住民にとっては大きな問題となっています。
こうした騒音や振動問題は、直接的に私たちの日常生活に影響を与えます。そのため自治体などに寄せられる苦情でもトップレベルとなります。まさに苦情の約半分が騒音・振動問題という地域もあります。
全国の主な自治体では、環境確保条例など用いて規制をし、こうした騒音問題に対処しています。鉄道関連では、特に騒音が懸念される新幹線に対して指針値や基準が定められ、航空基地でも騒音調査が行われています。環境問題の中でも、騒音問題は改善されるどころか年々悪化しているのが現在の状況であり、早急な課題と言えそうです。
さて、騒音問題が人間に与える影響にはどのようなものがあるのでしょうか。最も懸念されるのが聴力障害です。騒音性聴力障害は耳鳴りを伴うと言われ、罹ってしまうと回復不可能となる深刻な症状です。世界では1億2千万人もの患者がいると推定されています。
また、日常よくある例として、やっかいなのが会話了解度困難です。日常会話と騒音が同じ周波数領域にある場合、会話が聞き取りにくくなります。具体例としては、会話している時に電話のベル音やアラームなどが鳴り響くことによって、音声が聞き取りにくくなる等がわかりやすいのではないでしょうか。
建築工事現場隣のビルで仕事に集中できないなど、ありがちな状況ですね。
これも小さいことではありますが、積もればかなりのストレスです。
深刻な例では睡眠障害があります。
寝付きが悪くなる、深く眠れないなど不眠症の原因になり、続くと精神面や身体面に大きな影響を及ぼします。また工場で働く労働者など、常に騒音に囲まれている人々は、症状が慢性化して気づかないうちに進んでいる可能性も指摘されています。30年以上現場で労働している人の中には、騒音が原因のストレスで高血圧を引き起こしている例もあるのです。