オゾン層破壊

オゾン層破壊

オゾン層破壊

地球を取り巻くオゾン層は、私たち生物を太陽から降り注ぐ有害な紫外線から守ってくれています。オゾンのもとになる酸素蒲生十分になかった太古の時代の生命は、紫外線の届かない海中でしか地球の生物は生存できませんでした。今からでは想像できませんね。

植物が光合成を行い、大気中に酸素が十分に蓄積され、その結果らオゾンの量も十分となり、紫外線が遮断されたため、生物が地上で生活できるようになったのです。太陽からの光には、可視光線、紫外線、赤外線、電磁波があります。紫外線は、浴びすぎると皮膚がんになったり、場合によっては命を失うケースもあります。生物にとって有害なものです。

オゾン層は、地上20〜30kmのところにあります。 上空のオゾン層を1気圧の地上にもってくると、その厚さは、わずか3mmにしかなりません。このオゾン層が地球のすべてのものを紫外線から守ってくれています。

フロンガスは、冷却のため世界中で利用されていた物質です。車のエアコン、冷蔵庫などの冷却に利用されていました。しかし、フロンガスは、オゾン層破壊物質の1つであることが分かりました。フロンガスは、空気より重いため、ゆっくりとオゾン層に近づきます。そのため、オゾン層に到達するのは20年後ともいわれています。

現在では、フロンの生産は中止されています。しかし、この取り決めがされた1995年よりも以前に生産された冷蔵庫やエアコンなどは、現在もフロンガスを発生させる要因となっています。フロンの中で特にオゾン層を破壊する能力の高いものを特定フロンと呼び、具体的には「フロン11」「フロン12」「フロン113」「フロン114」「フロン115」 が該当します。

日本は1988年9月、ウィーン条約及びモントリオール議定書に加入し、国際的な約束を的確に行うため、「特定物質の基準等によるオゾン層の保護に関する法律」つまり「オゾン層保護法」を制定しました。

(まとめ)
太陽からの有害光線を遮断する大気の層
フロンガスはオゾン層を破壊する物質の1つ
特定フロンを中心に規制が進む

オゾンは水の味を守る

地球上に存在する水の量をあなたはご存じですか?
1兆トンの約100万倍(10の18乗トン)です。
そのうちの97%は海水で、淡水は地球上のたった3%ですから驚きますよね。また、淡水のうちほぼ80%が氷で、20%が地下水、河川水は淡水のわずか0.004%しかないのですからさらに驚きます。ですから、私たちが利用できる水は1.3兆トンに過ぎないということになります。

現在の世界人口が60億人だとすると1人あたりの利用量は約200トンになります。私たちが1人1日あたり平均して250リットル使うとすると、2年余りで水を使い果たしてしまうという計算になります。しかし、これを枯渇させないようにしているのが、蒸発を通して還元される水なのです。

1890年代に腸チフスやコレラ菌、脾脱疽菌(ひだつそきん)、大腸菌などの殺菌にオゾンが有効であるという研究報告が続々となされました。これらの学術的な裏付けによって、公的な水道水の処理にオゾンを使用したのはヨーロッパが世界で最も早く、中でも本格的に大規模な水処理にオゾンを採用したのはフランスで、1906年のニースの浄水場です。現在、フランスは国内だけでも700箇所以上の浄水場でオゾン処理を行っています。フランスだけではなく、ドイツ、スイスなどのヨーローッパにおける浄水処理へのオゾン使用は病原菌の殺菌を起点として進められてきました。ヨーローッパにおけるオゾンの浄水処理の実績には実に100年以上の歴史があるのです。

処理後に有害物質を出さないオゾンは環境にやさしい

一般に浄水処理にはオゾンと活性炭が併用される。水処理に対してはオゾンの酸化力の強さを利用しているが、水中のすべての含有物に対して万能ではありません。多くの細菌に対してオゾンは強力な殺菌作用はありますが、たとえば枯草菌や緑色ペニシリンなどはオゾンに比較的耐性が強く、これらは酸化作用によっては除去されにくい。このような場合には、活性炭による吸着作用を併用することにより、オゾンで処理できない物質の殺菌を行います。さらにオゾンと有機物との反応生成物を吸着する役割も果たしているのです。

水道法で指摘されている有害物質、準有害物質、利用阻害物質はオゾン処理によって無害化処理できるものが多い。また、最近クリプトスポリジウムと呼ばれる塩素に強い病原性原虫が急遽問題化してきた。この病原菌もまたトリハロメタンと同様、塩素では退治できないオゾンによって不活性化できることが分かっています。

トリハロメタンの例で見られるように、処理後に有害物質を残さないオゾン処理法は環境にやさしい、アメニティ社会に向けた浄水処理法の鍵となるでしょう。自然にやさしいことが求められていますが、それは生態系を傷つけないことであり、乱さないことでもあります。この要求に応えられるのは現段階ではオゾン以外には考えられません。

環境にやさしいオゾンは、それを溶解させたオゾン水がさまざまな場面で活躍し、環境に貢献しています。